ご挨拶

一般社団法人 分子状水素臨床工学研究会
理事長 武藤 佳恭

分子状水素(H2)の医療利用にかかわる学術論文は、現在、800報以上公刊されています。しかし、現状、分子状水素は医薬品または医療機器として承認されていないため、当会からみて、安全性に問題がある使用が行われております。

「医療の進歩は医家の創意と研究とによる新技術の発見にまたなければならない」(大阪高裁昭和41年6月29日判決)という言葉にみられるように、分子状水素が医薬品あるいは医療機器として正式に承認されるまでの過渡期においては、たしかに、医師の自由裁量権に基づく分子状水素の利用が、「新技術」を牽引していく側面はあるかと思います。

しかしながら、その「創意」が発揮される方向性を一歩間違うと、分子状水素が医薬品あるいは医療機器として正しい仕方で世間に根付くのを牽引するのではなく、逆にそれを阻害してしまう可能性もあります。事実、既に幾つかの病院においては、当会からみて、安全性への配慮を欠く仕方で、分子状水素が患者様に投与されています。

分子状水素は、通常の医薬品のような有体的な化合物とは異なり、取扱い方によっては爆発の危険性もあるガス状分子です。また、目にも見えず無味無臭であるため、測定装置を介してその存在を確認するしかありません。点滴や注射として血管に投与する場合には、細菌汚染や気泡の形成に配慮する必要もあり、ガスとして吸入する場合には、爆発の危険性にも配慮する必要があります。さらに、水素水として飲用する場合には、食品添加物として承認された原料を使う必要があります。

当会では、分子状水素を自らの医療的実践に取り込むことを検討されている医師、歯科医師、獣医師の皆様に対し、その適切な取り扱い方をアドバイスさせていただくことを通じて、安全で安心な分子状水素の医療利用の普及を図り、もって国民の健康の増進に寄与していくことを目的としています。